多様な断面

2024年2月号 多様な断面を構築する推進工法

2024/2/7

 都市部の下水道整備は土地利用の高度化に伴い、用地の確保や交通事情などから非開削工法のニーズが高まり、それに呼応すべく推進技術は発展してきました。  この下水道に適したトンネル断面は土圧等の外圧に対する抵抗性や管内水理特性から円形が有利とされ、開削工法でも円形管が用いられてきました。推進工法の場合はカッタヘッドの回転で地山掘削できることが円形管の適用に対し合理性があるため、機械式密閉型掘進機が主流となりました。このような経緯から水道や電力、ガス、通信などの他の地下インフラ網も円形管路が主体となっています。 ...

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海外展開

2024年1月号 推進工法の海外展開

2024/1/9

 昨年は、新型コロナウイルス感染症の落ち着きを見せるとともにそれまでは屋外では原則不要、屋内では原則着用としていたマスクの着用が令和5年3月13日からは個人の判断が基本となりました。さらに「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」では、新型コロナウイルス感染症の位置づけを、それまで「新型インフルエンザ等感染症(いわゆる2類相当)」としていましたが、5月8日から季節性インフルエンザや風疹、麻はしか疹、水みずぼうそう痘などが指定されている「5類感染症」に変更されました。  マスク着用が個人の判断 ...

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下水道以外の事例 推進工法の役割

2023年12月号 周辺技術

2023/12/10

 推進工法は、これまで様々な周辺技術に支えられながら進展してまいりました。推進延長については、最近は過去にはあまり例が無かった200mを超えるような小口径管推進や、500mを超える大中口径管推進がごく普通に施工されております。長距離推進になれば曲線施工を伴うケースも増えると想像できますが、曲線推進に対する対応の幅も大きく向上しています。このように長距離曲線推進が一般的に施工されるようになった背景には、推進工法に用いられる滑材や管材の性能向上、さらには計測技術などの周辺技術の発達が支えています。また、長距離 ...

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下水道以外の事例 推進工事技士 推進工法の役割

2023年11月号 地下パイプライン整備に活躍する推進工法

2023/11/9

 日本の推進工法は、昭和23年(1948)にガス管のさや管として内径600mmの鋳鉄管を軌道下の横断のために手掘り式で施工したのが始まりです。その後、昭和40年頃までは刃口式推進工法で電話ケーブル、水道およびガス管等のさや管として主要道路や軌道、用水路等の横断工事に採用する特殊な工法でした。この刃口式推進工法は、切羽が全面開放されており「地盤の自立」が必要条件で、崩壊性地盤や地下水を含む地盤では、切羽安定のため補助工法を必要としました。この問題を解決するために昭和40年過ぎから密閉型推進工法の泥水式推進工 ...

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発進・到達

2023年10月号 発進と到達

2023/10/2

 現在、国際的な取り組みとして「SDGs」(持続可能な開発目標)が進められておりますが、その17ゴールのうち11番目に「住み続けられるまちづくりを」があります。また、国内においても「国土強靭化計画」が推進されていますが、これらは、安全で災害に強く社会インフラが充実した住みやすいまちづくりのことであると考えられます。  なお、先の東日本大震災において地下インフラ設備の安定性が評価されたことや、近年多発する線状降水帯による豪雨災害に伴う浸水対策など、それらの実現に向けて推進工法の果たす役割は多様化するとともに ...

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小型立坑・省面積

2023年9月号 小(省)面積

2023/9/10

 今月の特集は小(省)面積です。本来推進工法は、管敷設工事の中で、開削工事と比較すれば非開削工事であり、一般的に環境に配慮した持続可能な工法です。  従って、推進工事を紹介すればほとんどの工事が小面積に値するものと言っても過言ではありません。我々は推進工事を行うにあたり、より一層SDGsを意識しながら施工条件や地域環境に配慮し設計・施工に努めていきたいと常に思っています。  2008年12月号にて「省(小)面積化技術の現状と今後(小面積の光と影)」と題して特集しています。読み返せば、小面積立坑システムと事 ...

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地下水

2023年8月号 地下水と歩む推進工法

2023/8/8

 今月の特集は「地下水と歩む」をテーマに推進工法やそれに関わる様々な技術を8年ぶりに紹介していきます。  土木工事において、環境負荷低減が求められ施工条件の制約や排水処理水の基準などがより厳しくなっています。  推進工事現場では、施工前に地形や土質、N値、土被り、水頭差などを検討し、工法や必要な補助工法などを選定します。その中でも特に地下水に関する項目は重要です。  土木に携わらない方には地下水というと井戸水のような綺麗で穏やかなイメージをされるのではないかと思います。筆者も以前は地下水についての知識がな ...

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下水道展

2023年7月号 推進技術・最前線

2023/7/7

 下水道展は、全国の下水道関連企業(団体)の日頃の技術開発の成果等に基づき、下水道に関する幅広い分野の最新技術・機器、サービス等の展示・紹介をする下水道分野における国内最大の展示会です。1987 年の第1 回開催以来、首都圏と地方が交互に開催地となってきましたが、今年は8月1日(火)~ 4日(金)の日程で、初の北海道(札幌)開催となります。  下水道展は掘進機や推進管などの実物を用いて機能や特徴を分かりやすく説明する展示が多く、普段触れることの少ない機械や資機材に触れることができる数少ない展示会です。また ...

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泥濃式

2023年6月号 泥濃式推進工法の応用・発展

2023/6/10

 今泥濃式推進工法は、呼び径800~1500のサイズでは国内最多のシェアを占める工法となっています。これには下記のような歴史があると聞いています。  密閉式の泥水式・土圧式は1960年代後半から下水道等の管路整備に適用されるようになりましたが、これら先発の工法でも苦手な分野がありました。それは100mmを超えるサイズの巨礫でした。巨礫が出現すると当時の掘進機の性能では、いとも簡単に掘進停止に追い込まれたのです。  カッタヘッドにローラビットを搭載し、機内にはクラッシャーを装備する、軸抜きのリボンスクリュを ...

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土圧(泥土圧)式

2023年5月号 土圧式推進工法の応用・発展

2023/5/2

 今年度は、泥水式、土圧式、泥濃式それら3方式の大中口径管推進工法についての最新技術動向や施工事例および今後の展望などを述べていただく「応用・発展編」を特集しています。  今月号は、泥水式に続き、土圧(泥土圧)式の「応用・発展編」です。土圧式は、1970年代後半に、切羽の安定性を重視して周辺地盤への影響を抑えること泥水式の泥水処理設備等の地上設備を小型化にすることを目標のひとつとして開発されました。特に、切羽の土圧および水圧に対しては、カッタヘッドによる掘削・混練、地山の性状に合わせた添加材の注入とスクリ ...

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