土被り 地下水

2019年4月号 大土被りと高水圧対応

 我が国の大都市の道路下には、地下鉄や上下水道、電気、ガス、通信等の様々なインフラ施設が敷設されています。そのため、新たな構造物の建設には、既存の輻輳した多様な構造物を避け、次第に深い位置へと大深度化が進んでいます。特に近年多発する集中豪雨に対応した貯留施設等は、既設の構造物を避けた地下空間に設置されるケースが多く見受けられます。このような中、工期の短さや簡易な設備で、交通規制を最小限に抑えられる推進工法の採用が一般化しており、大土被りや高水圧といった条件下での施工にも適用されるケースが増加しております。
 推進工法は、ご存知のとおり掘進機と推進管を用いて、管列を推進することで管きょを構築する工法です。したがって、大土被り・高水圧といった条件下においては、掘進機については駆動部や可動部等の耐水圧対策が必要となり、立坑および坑口についても大きな土圧や水圧に対処する必要があります。
 また、管材についても対応が必要です。下水道推進工法用鉄筋コンクリート管(JSWAS A-2-1999)には内水圧に対する規定がなく、継手性能も耐水圧0.2MPa(JC)までの対応となっていました。そのような中、JSWAS A-2が2018年に改正され、雨水貯留などの圧力状態を許容できる内圧管が新たに規定されるとともに、従来よりも水密性の高い継手0.4MPa(JD)が追加されました。また、0.4MPaを超える範囲についても、鋼コンクリート合成管などを使用することでさらなる大土被りにも対応が図られています。この規格改正は、推進工法による管きょの構築が大土被りや高水圧といった条件下においても一般化していることの表れではないかと考えられます。世の中のニーズにあったインフラ整備は、今後も間違いなく必要なものであると思っております。
 今回の特集では、掘進機、地盤改良、管材といった様々な視点からの大土被り・高水圧対応技術をご紹介させていただき、今後も増えるであろう大土被りの推進工事に対する技術の活用とさらなる向上につなげていきたいと思っております。
(編集担当:人見 隆)

巻頭言 広域化・共同化
国土交通省水管理・国土保全局下水道部下水道事業課長
植松 龍二
今月の推論 下水道資産の更なる情報公開が必要だ
時来りて語る者
総 論 横浜市における大土被り・高水圧下の施工事例
横浜市環境創造局政策調整部技術監理課課長補佐担当係長(土木基準担当)
児玉 吉広
高水圧下における推進施工の設計上の留意点と対策事例
機動建設工業(株)土木本部技術課
須藤  洋
解 説 泥濃式で施工可能な大土被り・高水圧施工の適用範囲
ツーウェイ推進工法協会
竹内 貴亮
大深度(大土被り)を対象とした地盤改良工法の問題点とその対策
日特建設(株)技術本部
佐藤  潤
Wジョイント管の大深度(大土被り)への事例紹介
藤村ヒューム管(株)技術開発本部技術営業部
吉本 勝彦
大土被り(高水圧)管路構築をアシストするMAX推進管の特徴について
栗本コンクリート工業(株)技術課
伊藤 英樹
栗本コンクリート工業(株)技術課
里西 善隆
大土被り推進工事の測量
(株)ソーキ特別顧問
稲葉 富男
随 筆 東京の地下鉄のアップダウンについて
日特建設(株)技術本部設計部
山梨 太郎
ゆうぞうさんの山紀行 第38回 高尾山南稜の花のみち
藤代 裕三
俳句会便り 第六十七回 中本郷顔記念「東雛」俳句会便り

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