2024/10/7
日本の都市部において、道路や地下鉄、上下水道、電気、ガス、通信など、様々なインフラが地下部分に整備されています。このような場所に新たなインフラを構築する場合、既存の輻輳した構造物網を避け、深い位置を選定する傾向が次第に強くなってきました。推進工事をはじめとする非開削工事も例に漏れず大深度(大土被り)化が進んでおり、従来にはなかった施工上の課題も生じてきています。いくつか例を挙げますと、発進ならびに到達坑口の土圧・水圧対策や、高水圧に耐えうる掘進機の選定、チェックボーリングが困難であることを踏まえた掘進精 ...
2024/9/10
働き方改革関連法案は2019年4月1日より施行されましたが企業規模や業種により猶予期間が設けられました。そして本年4月1日からはすべての制度の本格的運用が開始されました。ここで働き方改革とは「働く人びとが個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、『自分』で選択できるようにする」ための改革とされています。つまり我が国は、「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「働く人びとのニーズの多様化」などの課題に直面しています。こうした中、生産性向上とともに就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることが必要 ...
2024/8/10
長距離・曲線推進は、交通への影響や管路構築上の障害などを回避することができる社会的影響が少ない工法としての実績も多く、特に立坑を構築することが困難な場合などにおいて適用されています。 令和の時代に入り、長距離・曲線推進がごく当たり前に施工されるようになった背景には、地山に対応する掘進機、管材の高強度化および継手性能の向上、曲線推進への対応、周面摩擦抵抗の低減、測量技術などの進展によるものと思います。 一方で、過度に立坑を省略して長距離化することも、リスクばかりが増大してトラブルになる確率も高くなるた ...
2024/7/10
本特集号は下水道展をテーマにした「推進技術・最前線」です。下水道展は、「地方公共団体の課題解決を支援するため、全国の下水道関連企業(団体)の日頃の技術開発の成果等に基づき、下水道に関する幅広い分野の最新技術・機器、サービス等を展示・紹介することで会員が求める技術や製品情報等に触れる機会を創出し、あわせて地方公共団体と民間企業(団体)が交流・意見交換する場を提供する、下水道分野における国内最大の展示会です。また、一般市民の下水道への理解を促進するための企画も展開しています」(日本下水道協会Webサイトより ...
2024/6/10
今月号の特集は、「鋼製管推進工法」です。「鋼製管推進工法」は、(公社)日本推進技術協会では、「鋼製さや管推進工法」と「取付管推進工法」に分類されています。「鋼製さや管推進工法」は、鋼管をさや管として本管を敷設する工法であり、掘進機等に鋼管を接続して全ての推進力を鋼管に伝達し掘進敷設します。掘進機の掘進方式により圧入式、オーガ式、泥水式およびボーリング式(一重ケーシング方式・二重ケーシング方式)に細分類されます。「取付管推進工法」は、地上または地上付近から鋼製管をさや管として本管まで掘進し硬質塩化ビニル管 ...
2024/5/21
小口径管を推進可能な工法は、小口径管推進工法、鋼製管推進工法があります。このうち小口径管推進工法は、推進管の種類により高耐荷力方式と低耐荷力方式に大別されますが、低耐荷力管推進工法では主に、粗度係数が小さく軽量であるという特徴を有する硬質塩化ビニル管を使用します。一方で管材料が変形しやすく大きな力が作用すると管本体が損傷するおそれがあるため、先端抵抗力を推進力伝達ロッド等に負担させることや、二工程方式を採用することで、管の軸方向の負担を小さくする工夫が行われました。低耐荷力管推進工法の開発は1980 ...
2024/4/2
小口径管推進工法は、推進管の種類により高耐荷力管推進工法と低耐荷力管推進工法に大別され、高耐荷力管推進工法は、推進工法用管に全ての推進力を負荷させる工法として、1977年に最初の圧入式掘進機が導入されました。その後、地下インフラ整備の需要の高まりと社会環境の変化に呼応し、泥水式、オーガ式、泥土圧式と、次々に新たな推進工法が開発されました。 なお、泥土圧式は、排土方式によってさらに分類されており、最初にスクリュ排土方式が開発され、後に圧送排土方式、吸引排土方式が開発されています。 我が国の道路地下には ...
2024/3/10
「地球温暖化(Global Warming)の時代から、地球沸騰化(Global Boiling)の時代に移った」と言ったのは国連のグテーレス事務総長でした。昨年の7月のことです。温室効果ガスの抑制がなかなか進まない中、目の前の暑さ対策も不可欠であり、一義的には従前から行われている温室効果ガスの抑制であることは論を待たないでしょう。そして、この従前の気候変動対策から、より一層強い対策の強化が求められてくることでしょう。 世界的規模で暑くなっている中、東京では昨年の猛暑日数22日はそれまでの最多日数16 ...
2024/2/7
都市部の下水道整備は土地利用の高度化に伴い、用地の確保や交通事情などから非開削工法のニーズが高まり、それに呼応すべく推進技術は発展してきました。 この下水道に適したトンネル断面は土圧等の外圧に対する抵抗性や管内水理特性から円形が有利とされ、開削工法でも円形管が用いられてきました。推進工法の場合はカッタヘッドの回転で地山掘削できることが円形管の適用に対し合理性があるため、機械式密閉型掘進機が主流となりました。このような経緯から水道や電力、ガス、通信などの他の地下インフラ網も円形管路が主体となっています。 ...
2024/1/9
昨年は、新型コロナウイルス感染症の落ち着きを見せるとともにそれまでは屋外では原則不要、屋内では原則着用としていたマスクの着用が令和5年3月13日からは個人の判断が基本となりました。さらに「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」では、新型コロナウイルス感染症の位置づけを、それまで「新型インフルエンザ等感染症(いわゆる2類相当)」としていましたが、5月8日から季節性インフルエンザや風疹、麻はしか疹、水みずぼうそう痘などが指定されている「5類感染症」に変更されました。 マスク着用が個人の判断 ...