トラブル対策

2024年12月号 リスクを読む

  国内ではじめての推進施工から76年が経過しました。これまで推進工事に携わった先人たちが、様々なトラブルを経験し再発防止に努めトラブルへの対応・対策を講じることで推進技術を進化発展させてきました。
 古くは、推進工事には必ずトラブルが付きまとい、都度対処することが当たり前という時代がありました。機械式推進が一般的になっても、トラブルに対する代償ははかり知れず、企業にとっての存続が困難となりかねない損害を被ることもありました。
 近年、このようなトラブル回避や設計変更等を可能にするための施策として、事前にリスクを評価し対策を講じる「リスクアセスメント」という手法が用いられるようになりました。
 トラブルを防止し安心・安全な管路敷設工事を実施するため、様々なリスクを洗い出しリスクアセスメントを構築することで、発注者ならびに設計者、受注者そして施工業者がそれぞれの立場と役割を明確化することが可能となります。
 本特集号では、様々な立場でリスクアセスメントの実施や活用の手法、施工事例とともにその効果もあわせて紹介します。本特集タイトルはトラブルという事象を表す用語ではなく、工事全体の危険要素を示す「リスク」を使用しています。
(編集担当:舩橋 透)

巻頭言 推進工法におけるi-Construction 2.0
長尾 達児
鉄建建設㈱執行役員土木本部副本部長兼土木設計部長
今月の推論 ネイチャーポジティブ
肝試し
総 論 リスクを掴んでトラブルを防げ!!
金田 則夫
(公社)日本推進技術協会研究部長
解 説 設計段階におけるリスク予測と回避策
五十嵐 瞭介
横浜市下水道河川局・管路整備課
トラブル防止のための施工計画と現場管理
矢萩 元彦
機動建設工業㈱ 土木本部推進統括部部長
推進用掘進機におけるトラブル予防のための掘進機保守点検
寺岡 広勝
㈱イセキ開発工機設計部
佐藤 徹
㈱イセキ開発工機技術営業部
測量に潜むリスク(推進工事測量の特殊性と誤差要因)
稲葉 富男
ICT推進工法研究会技術積算部長
海外工事における周辺環境影響を含む工事の遅延リスクと回避の方策
河野 道則
ヤスダエンジニアリング㈱建設事業本部工事部次長/ Package-G:Deputy Project Manager
岩盤推進におけるカッタヘッドの検討と掘削添加材注入量の検討
脇田 清司
ジオリード協会会長㈱ウイングス代表取締役
過去の設計事例から学ぶリスクアセスメント
越石 博行
日本水工設計㈱東京支社管路部次長
トラブル事例の検証
月刊推進技術編集室
随 筆 話題のインフラツアーに参加16 ~北越急行・ほくほく線~
山口 雅永
長野油機㈱製造部資材課
ゆうぞうさんの山紀行 第106回 金時山まつり
藤代 裕三
元横浜市下水道局

 

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