基礎知識 泥濃式

2021年6月号 大中口径管推進工法の基礎知識③ 泥濃式編

 泥濃式推進工法は、泥水式や土圧式に比べ新しい工法です。この泥濃式は泥水式・土圧式と比較して、低推進力施工、曲線施工を容易にし、切羽の安定では、泥水式・土圧式の持つ特長を取り入れ、唯一国内で開発された工法であり、今日の推進工法の発展の一翼を担った工法でもあります。現在の推進工事では、長距離施工・急曲線施工、また過酷な施工条件が当たり前のように求められ、システム化されたコンパクトなプラント設備で狭隘な施工箇所での施工も可能であり、近年では推進工事全体に占める施工延長の6割以上の工事で採用され、推進工法の主流となっています。
 泥濃式の特徴は、切羽の安定はカッタチャンバ内に圧送した高濃度泥水と掘削土砂を攪拌混合した泥土をカッタチャンバ内に満たし、元押ジャッキの推進力により泥土圧を発生させ、この泥土圧を切羽の土圧および地下水に見合う圧力に保持することで切羽の安定を図ります。排土設備については、掘削土は搬送可能な粒径以下に分級され、真空排土装置の吸引力により坑外へ連続して排土され、搬送できない大きな礫はトロバケットで搬出されます。また、泥水式・土圧式と比較して大きい余掘り部に高濃度泥水と掘削土の攪拌混合物を充填し、管と地山の間に滑注入することにより円滑な長距離および急曲線施工を可能にしています。
 今回の特集では、泥濃式推進工法の開発の経緯、工法の特徴・特質、最新の技術を施工事例も交えて紹介いたします。
 4月号から大中口径管推進工法の基礎知識として3ヶ月にわたり特集いたしました。様々な施工条件のなかですべての施工条件において適用可能といえる推進工法は存在いたしません。工法を正しく理解していただき、採用すべき最適な推進工法を選定する判断の材料としてもらいたいと思います。
(編集担当:椿 秀明))

巻頭言 和を以て貴しと為す
ヤスダエンジニアリング㈱代表取締役
(公社)日本推進技術協会理事
安田 京一
今月の推論 モモと傾聴
時来りて語る者
総 論 泥濃式推進工法の概要と施工管理手法について
(公社)日本推進技術協会技術委員会大中口径部会
㈱協和エクシオ土木事業本部土木営業部門
佐藤 大輔
特 集 泥濃式推進工法の留意点と超流バランスセミシールド工法における施工事例
(一社)超流セミシールド工法技術協会会長
㈱アルファシビルエンジニアリング技術部長
森田 智
施工現場に適した工法選定と施工方法
超泥水加圧推進協会
肱黒 秀樹
泥濃式推進工法の基礎
ジオリード協会会長
㈱ウイングス代表取締役
脇田 清司
泥濃式ラムサス工法施工事例と施工管理
ラムサス工法協会事務局長
サン・シールド㈱代表取締役
米森 清祥
施工応用性を極め、突き詰めた安全性を確保する
ツーウェイ推進工法協会
竹内 貴亮
空港滑走路下の岩盤区間を長距離・バーチカルで推進
ハイブリッドモール工法協会事務局
武村 秀
泥濃式を採用したデュアルシールド工法
─急曲線施工・長距離・小面積ヤードに対応する─

㈱福田組東京本店土木部技術部推進・シールド担当部長
小野塚 良明
随 筆 かわった夢
りんかい日産建設㈱東京土木支店
田村 菜南子
ゆうぞうさんの山紀行 第64回 初夏の蓼科山
藤代 裕三

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