日本で初めての推進工事は、1948年に兵庫県尼崎市において国道2号線と国鉄の交差する箇所で、ガスのさや管を手動のシップジャッキを用いて行われました。それからの推進工法は、70年余りで急激に進化してきたことは皆さんご存知のことと思います。この進化の過程において、目まぐるしく時日が流れたことを改めて振り返ることで、さらなる発展に繋げるきっかけになるのではないか?また、推進工法が確立されるための要求事項は何か?皆さんの現在の認識(イメージ)は、開削<推進<シールドではないでしょうか。このイメージを脱却するのではなく推進工法の幅と奥行きをより一層広めていけるよう努力していかなければなりません。
そこで本稿では、推進工法の原点に立ちかえり、現在の技術の進化に貢献してきた主役やわき役も合わせて幅広い経験をご紹介していただき、推進工法の優れた技術を歴史も含め解り易く解説します。近年見受けられる新技術の開発や取り組みに寄与する特集号としてご理解していただけるものと考えています。
(編集担当:舩橋 透)
巻頭言 | プレキャストの推進に向けて 三井住友建設(株)常務執行役員土木本部副本部長 (公社)日本推進技術協会理事 森 理太郎 |
今月の推論 | 本質を見極めた議論を始めようではないか エクス・ニヒロー、ニヒル・フィト |
総 論 | 土龍の進化 ~末廣に 土龍の技術 明日に活く~ (公社)日本推進技術協会研究部長 金田 則夫 |
特 集 | 刃口式から学ぶ推進の基礎 (一社)日本非開削技術協会調査課長 西村 重一 |
曲線推進技術の成り立ち 機動建設工業(株)土木本部技術統括顧問 西田 広治 |
|
小口径管推進工法の歴史 (一社)日本非開削技術協会技術課長 森田 芳樹 |
|
密閉型推進工法の誕生と進化 (株)福田組 石塚 千司 |
|
推進工法における立坑の役割とその想い 元(公社)日本推進技術協会技術部長 川相 章 |
|
滑材と裏込め材の歴史 (株)はりば営業部部長 渡部 孝 |
|
押し管から推進管へ ─推進用ヒューム管70年の歩み─ 全国ヒューム管協会技術委員長 横塚 泰弘 |
|
推進管における日本下水道協会規格化の歴史 (一社)日本管路更生工法品質確保協会事務局長 友部 秀久 |
|
岩盤掘進機の開発と長距離推進技術の歴史 CMT工法協会(株)推研常務取締役 虻川 耕太郎 |
|
随 筆 | マンホーラー マンホールサミットin池田編 長野油機(株)製造部資材課 山口 雅永 |
ゆうぞうさんの山紀行 | 第58回 初冬の大菩薩嶺 藤代 裕三 |
年間総目次 | 月刊推進技術 年間総目次 2020年 Vol.34(令和2年1月号~12月号) |