下水道展 総合 他

2017年7月号 推進技術・最前線

 我々が生活する身近な所においては、下水道、水道、ガス、電気、通信はもとより高速道路、鉄道、通路、商店街等のライフラインがあり、その多くは地中に管きょとして埋設されています。これらの管きょの埋設には、地上から掘削してその底面に既製の管を配管し埋戻す開削工法、あるいは地表を掘削することなく掘進機(シールド)で前方地盤を掘削しトンネルを築造する非開削工法が用いられています。非開削工法には、掘進機内でセグメントを組み立てるシールド工法と既製の管を地中に圧入する推進工法があります。
 この中で、推進工法は、計画管きょラインの両端に発進立坑と到達立坑を設け、推進設備を備えた発進立坑から油圧ジャッキにより掘進機を地中に圧入し、掘進機の後続に既製の管を順次継ぎ足し、管列を推進することで掘進機を到達立坑に到達させ、発進立坑と到達立坑の間に管きょを構築するものです。従って、開削工法に比べ路面を掘削することが少なくなるため、工事中の路面使用面積の減少、騒音、振動、粉塵等の工事公害の低減、交通や市民生活への影響の軽減等、都市環境対策に優れています。
 推進工法の歴史に関しては、19世紀にアメリカ北太平洋鉄道化でコンクリート管が推進工法で埋設されたという文献があります。また、20世紀初頭の第一世界大戦中にヨーロッパ戦線、日露戦争等で坑道戦に用いられた記録があるようです。一方、日本における推進工法は、1948年に、さや管として内径600mmの鋳鉄管を軌道下の横断のために施工したのが始まりです。
 初期の推進工法は、ガス、水道、通信ケーブル等のさや管を、軌道、水路、道路等を横断して埋設するための特殊な工法でしたが、徐々に道路縦断方向の管の埋設にも使用されるようになり、1963年12月の生活環境施設整備緊急措置法に基づく第1次下水道整備5箇年計画以降は、下水道事業に大いに活用されました。さらに、需要の拡大に伴いシールド工法等の技術を取り入れ安全性の高い工法へと進展し、社会的要求に応じた多種多様な小口径管推進工法もいまやあらゆる対応が可能となっています。
 「これって可能?」「○○○○工法ってどんな工法?」「円形?矩形?」「急曲線できる?」「何m押せるの?」。発注者や設計者は、各工法協会に問い合わせをして、この線形でこの径、土質はこれだけど、推進可能ですか?といった単刀直入の問い合わせから始まります。
 推進工法に詳しい人でも工法名だけではわからない場合もあります。本特集では、下水道展’17東京に出展する当協会会員目線で、工法の分類、特長、セールスポイントなどに絞り他との比較ができるようにしました。
 是非、この一冊を活用していただきたいと思います。
(編集担当:舩橋 透)

 

 

巻頭言 これからの東京下水道事業 ~再構築時代の本格化に向け、さらなる技術の進展に期待~
東京都下水道局長
石原 清次
今月の推論 標準の限界
巌上松
総 論 日本推進技術のあゆみと最前線を見る
(公社)日本推進技術協会調査部長
竹内 俊博
推進工法の特長と適用
(公社)日本推進技術協会事務局長(本誌編集委員)
西口 公二
特 集 これを見れば推進のトレンドがわかる
2時間で全てまわれる!! 推進技術見学ルートマップ
下水道展'17東京 出展予告(下水道展ガイドブック電子版と出展予告記事がリンク)
投 稿 改築推進工法による新設管路への敷設替え -大井川用水(二期)農業水利事業瀬戸川左岸幹線水路整備工事(その6)-
(株)熊谷組 名古屋支店土木事業部作業所長
遠藤 建史
(株)熊谷組 土木事業本部シールド技術部技術部長
金田 則夫
CMT工法協会広報委員
木下 貴義
変化する岩盤層を急曲線で掘進
東田中・丸三建設工事共同企業体現場代理人
小関 純
国際エンジニアリング(株)課長補佐
藤原 敏之
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