岩盤 特殊地盤 礫・玉石

2024年11月号 岩盤・玉石地盤掘削の最先端技術

 岩盤・玉石地盤の掘削は、推進工法やシールド工法などの多数の施工経験や掘削ビットなどの技術発展に伴い開発、改良が進展し続けてきました。ただし、まだ、効率的に推進を実施するために解決すべき課題も多々あり、その課題は、泥水式、泥土(泥土圧)式、泥濃式に各々存在しています。例えば、泥水式については、排泥管の口径が他工法と比較して、小さいために、岩盤、玉石をより小さく破砕しなければならない。泥濃式や泥土(泥土圧)式については、岩盤、巨石地盤の推進において、推進速度が極端に遅くなってしまうことにより、添加材の注入量が過度に多くなってしまうこと、また、岩盤、玉石の排土大きさは泥水式と比較して、大きな状態で排土することが可能であるが、これらの玉石、破砕岩片の搬出は人力に頼って搬出する必要があるなどがあります。これらの課題についても、各々の工法で解決策を講じている実例もあります。今回は、より効率的な技術や施工方法についての紹介をします。
 また、岩盤・玉石推進においては、呼び径が小さくなるほど、難度が高くなる傾向にあります。玉石の出現も小中口径にとっては、岩盤、巨石を掘削している状況に等しく、日本で250MN/m2以上の一軸圧縮強度の岩盤地盤はあまり存在しないですが、玉石の一軸圧縮強度では、250MN/m2以上であることは、多々あることもその理由の一つといえます。さらに作業員が管内に入ることができない呼び径800未満については、管路敷設の高精度維持のための方向制御、ローリング制御も、大口径とは異なる対策が必要となります。
 工法、呼び径の大小にかかわらず、存在する課題としては、推進管の耐久性向上、破損などへの対応、ビットの耐摩耗性、耐久性の向上があります。特にカッタビット、ローラビットの耐久性の向上は、岩盤・玉石推進における最重要な要素であることから、最先端の技術の開発、新作ビットの登場に期待するところです。
(編集担当:佐藤 徹)

巻頭言 建設業の社会貢献と未来へ
高橋 克彦
日特建設㈱常務執行役員安全環境品質本部長 (公社)日本推進技術協会監事
総 論 岩盤・玉石地盤への各部門(設計・施工・メーカ等)の一体的な対応
中野 正明
機動建設工業㈱代表取締役
解 説 高難度地盤に挑み続けるエースモール工法
橘 純
アイレック技建㈱非開削推進事業本部営業部(西日本) 営業課長
二重ケーシング方式による玉石岩盤層の施工 ~進化しつつあるSH工法・SHミニ工法~
篠木 拓哉
SHスーパー工法協会技術員
岩岩盤・玉石地盤掘削を可能にした推進工法─ CMT工法施工報告
榊 恭平
神戸市水道局東部水道管理事務所
河本 義一
北浦・関西特定建設工事共同企業体
酒井 泰之
㈱エイコ-エンジニアリング
木下 貴義
CMT工法協会
泥濃式推進工法(超流バランス式)における破砕型掘進機開発経緯と今後の対策について
森田 智
㈱アルファシビルエンジニアリング技術部部長
伏木 裕一
㈱アルファシビルエンジニアリング関東支店工事部次長
泥水式推進工法における岩盤対策用掘進機の進展と現状
佐藤 徹
㈱イセキ開発工機(本誌編集委員)
施工難度の高い岩盤・玉石地盤に挑む ─アルティミット工法─
須藤 洋
機動建設工業㈱土木本部技術課課長
ユニコーン工法の岩盤対
岩城 圭吾
ラサ工業㈱機械事業部土木機械課
随 筆 くだけた話
重盛 俊樹
ベビーモール協会事務局長
ゆうぞうさんの山紀行 第105回 裏磐梯 五色沼
藤代 裕三
元横浜市下水道局
俳句会頼り 第八十九回 中本郷顔記念「東雛」俳句会便り

 

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