推進・シールド切換

2016年3月号 推進施工トラブルの“芽”を摘む

 日本の推進技術の海外進出は30数年前からですが、ここ数年で急激にアクセルが踏み込まれ、本格的な海外展開がいよいよ始まる機運になっています。その原因としては国内市場の縮小に伴って、新たな市場を海外に求めなければならないというような受動的要因はもちろんありますが、下水道管路をはじめとする国内のインフラ整備を60年以上に亘って担ってきた日本の素晴らしい技術を、これから本格的にインフラ整備が開始される場所で再度活かしていきたいという積極的な考えが根本にあると思われます。
 そのような考えのもと、従来はそれぞれの企業単独での進出でしたが、最近では官と民、民と民が連携して事業を展開していく形態が多くなってきています。具体的には外務省、国交省、経済産業省をはじめとする関係官庁が先陣を切って相手国との橋渡しをしていただき、そのあとでも案件化調査、事業形成、技術者交流などの事業を一体となって進めることによって、より確実に迅速に海外展開ができるようになってきました。また、より実務に近く経験のある地方自治体の技術ノウハウを、そのような海外のプロジェクト形成に生かしていくような活動が多くなってきたことも大変力強い変化だと思われます。
 過去にも数回推進技術の海外展開をテーマとした特集を行ってきましたが、今月号ではより具体的に推進工法の海外展開を、まず、国関係の官の立場、地方自治体の立場からその活動の意義、目的および現状の取り組みと将来展望などをご紹介していただきます。次に現実的に施工を行っている、あるいは施工を完了したプロジェクトについて発注側からは推進工法採用の背景やきっかけおよび今後への期待などを解説していただき、施工者側からは実際の施工状況および苦労話を含めた問題点などを解説していただきます。また、最後には海外水プロジェクトの案件形成に取り組んでおられる第一線の方々にお集まりいただいて、開示できる限りの具体的な案件情報や今後の展開、我々推進技術に携わる企業や個人へのアドバイスなどを忌憚なく語っていただきます。
 読者の中には海外進出をもうすでに行っている方々も多くおられると思いますが、まだ進出には踏み切れなくても興味を持たれている読者もたくさんおられることでしょう。
 今回の特集を読んでいただいて、さらにもう一歩海外進出に向けて前進されれば幸いですし、少なくとも日本の推進技術は海外から求められる技術であり、日本の推進技術にかかわる方々が「推進技術チーム日本」のようなチームとして手を携える必要性を少しでも理解していただければ、今回の特集の意義があったものと考えます。
(編集担当:中野正明)

巻頭言 予測することの大切さ
(株)常磐ボーリング会長(当協会理事)
瀬谷 陽一
今月の推論 陳情の極意
全日本発注者団体連合協議会副会長
総 論 推進・シールド切換型工法の課題
(公社)日本推進技術協会技術部長
望月  崇
解 説 推進・シールド切換型工法の施工事例 兵庫県明石市魚住町の浸水対策
明石市下水道部下水道建設課工事第1係技術職員
吉川 大智
推進・シールド切換型工法の開発経緯と施工条件に応じた適用事例
(株)奥村組東日本支社土木技術部技術2課長
木下 茂樹
急曲線・防爆・大土被り(H=25m以上)での「シールド切替型推進工法」の取り組み
デュアルシールド工法協会事務局長
中村  浩
推進工法とシールド工法の融合により経済性・確実性・安全性を追求したエコスピードシールド(ESS)工法
ESS工法協会事務局 技術・積算
檜皮 安弘
地中送電線FS(複合システム)推進工法について
栗原工業(株)工務本部地中線・土木グループ課長
米田  晃
推進工法とシールド工法を融合した泥水式バサロシールド(Vassallo shield)工法
バサロシールド工法協会事務局長
須田 浩司
随 筆 くだけた話
ベビーモール協会事務局
重盛 俊樹
今さら聞けない
推進技術の豆知識
第11回   土被りが浅い(小さい)場合、何か問題ありますか?
推進豆博士

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