土質管理 環境

2025年7月号 推進技術・最前線

 全国の下水道管きょの総延長は、令和5年度末で約50万km。標準耐用年数50年を経過した管きょは約4万km(総延長の約7%)で、10年後は約10万km(約20%)、20年後は約21万km(約42%)と今後は急速に増加します。このような状況の中、本年1月28日に埼玉県八潮市において下水道管の破損に起因すると考えられる道路陥没が発生、トラック1台が巻き込まれるとともに、約120万人に下水道(洗濯や入浴)の使用自粛が求められるなど、大きな影響が発生しました。このように下水道事業は、施設の老朽化への対応をはじめ、頻発する豪雨に備えるための浸水対策、人口減少に伴う下水道使用料収入の減少、人員の不足による管理体制の脆弱化等、多くの課題を抱えています。
 これらの問題を見据えて下水道分野における国内最大の展示会、「下水道展」が7月29日~8月1日にインテックス大阪で開催されます。この展示会では下水道に関する幅広い分野の最新技術・機器、サービス等の展示・紹介が行われます。(公社)日本推進技術協会会員も出展しそれぞれのブースで実機の展示、パネル掲示や動画等により成熟した技術から最新の技術までアピールを行います。各ブースでは経験豊かなベテランの説明員を配置し万全を期しています。本特集号では会員の出展予告と展示の見どころをまとめました。本特集号を読むことで展示内容をより深く理解できるものとなっています。また「2時間でじっくり回れる!!推進技術見学ルートマップ」を作成し会員ブースを効率よく回れる工夫もしました。下水道展には関連企業が一同に集まっており、短時間で密度の高い情報収集が可能でぜひとも会場に足を運んでもらいたいものです。近年はWebを筆頭に情報収集には困りませんが、対面で得る生の情報は生きた知識として当面の事業活動に有益になるでしょう。さらに今回は夢ゆめしま洲で大阪・関西万博も開催中であり、また今後の下水道事業発展のためにも推進工法の広報活動に努めたいと思います。(編集担当:茂木清顕)

 

巻頭言 下水道展’25 大阪 開催に寄せて
寺川  孝
大阪市建設局長
今月の推論 上下水道インフラの輝ける未来に向けて
北極星
総 論 さらなる推進技術の発展を目指して!!
舩橋  透
(公社)日本推進技術協会 技術部長
下水道展特集 これを見れば推進のトレンドがわかる
2時間で全てまわれる!! 推進技術見学ルートマップ
「下水道展’25大阪」出展予告と展示の見どころ
ワンポイントアドバイス 推進工事における見落としがちな立坑設計のポイント
越石 博行
日本水工設計㈱ 東京支社管路部次長
投 稿 長距離推進工事における、機内ビット交換に圧気工法を用いた長距離推進工事
村上 敏昭
機動建設工業㈱ 九州支店長
藤田 啓司
機動エンジニアリング㈱ 工事課課長補佐
随 筆 話題のインフラツアーに参加18~旧住友赤平炭鉱~
山口 雅永
長野油機㈱ 製造部資材課
黒瀬賞 2025年度(第36 回)黒瀬賞
ゆうぞうさんの山紀行 第113回 霊峰八海山
藤代 裕三
元横浜市下水道局
俳句会便り 第九十二回 中本郷顔記念「東雛」俳句会便り

 

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