基礎知識 泥水式

2016年4月号 推進工法の基礎知識(1) 泥水式編

 推進工事の歴史は、開放型として刃口式推進に始まり、今では機械式密閉型推進が主流となっています。その経緯においては様々な方式を試行錯誤しながら開発されてきました。大中口径管推進においては、泥水式、土圧(泥土圧)式、泥濃式と大きく三つの工法が確立しています。また、小口径管推進においては、使用する管種から高耐荷力管推進と低耐荷力管推進に大別され、鋼製管推進や改築推進、また、超大口径管推進に至るまで大小問わず多様化しています。
 思い返せば、2013年6月の「特集/推進技術『きほんのき』」と題して推進工法の基本に立ち返って、各工法別や管理対象別に基本的な原理や遵守事項をそれぞれの専門家に論じていただきました。今回は、大別される泥水式を始め土圧(泥土圧)式、泥濃式に分けて、工法毎の特集を組み工法の特長やそれに特化した設備や材料等を専門家に論じていただき紹介したいと思います。
 その第一弾では、泥水式をクローズアップいたします。ここで泥水式の基本を理解していただき、工法の特長や特有の機械設備とその構造等をわかりやすく解説し、泥水式に特化した知識を深め、施工条件からの工法選定の手助けとし、安全な工法選択と確実な施工を目的にしたいと考えています。
 最近の推進工事現場においては、土木の知識だけでは施工(安全、品質、工程)管理することはできません。推進設備において、機械はもちろん電気の知識も必要です。また、使用する材料においては、理化学的な知識も重要となります。そのほかでは、曲線施工において基礎的な三角関数は必須です。従って、推進工事に従事する技術者は幅広い知識を持たなければなりません。それに加え、知識があればどんな施工も可能とは言い切れません。その重要なことは人を使うこと、共同作業をすることです。どの仕事でもコミュニケーションをとることが重要となります。また、推進工事の場合、3~5人を1班編成とする場合が多く、その班編成を変えずに移動し施工する状況がほとんどのため、息の合ったメンバーで生活を共にしながら推進施工をし、パターン化していますが、その人たちの平均年齢も年ごとに向上し、中には70才を超えている方も多々見受けられます。近年高齢者の制約は、高所作業や切羽作業を避ける配置となれば、益々専業者が減少し、推進技術の継承・伝承されないままになりつつあるのが現状です。
 そこで、推進技術の伝承の資料として、推進工事に携わる人たちに役に立つ参考書となればと思い、推進工法の基礎知識(1)泥水式編を特集いたします。
(編集担当:舩橋 透)

巻頭言 新鮮な驚き
国土交通省水管理・国土保全局下水道部下水道事業課長
森岡 泰裕
今月の推論 管理の時代に相応しい施策を望む
メメント・モリ
総 論 泥水式推進工法の歴史と工法の概要
(株)熊谷組土木事業本部シールド技術部長
金田 則夫
泥水式推進工法とは
南野建設(株)
高橋 正二
泥水式推進工法入門
(公社)日本推進技術協会技術委員会講座部会長
西田 広治
解 説 泥水処理プラントの解説
サンエー工業(株)代表取締役
浦矢 英雄
泥水ポンプの基礎(究極の安全工法)
(株)サンコーポンプ代表取締役
榊原 宗正
泥水式推進における作泥材選択と泥水管理
テクニカ合同(株)
渡部  孝
泥水式工法の利点を生かすラサの掘進技術
ラサ工業(株)機械事業部東京営業所所長
池田 昌司
泥水式掘進機の進化の過程
(株)イセキ開発工機建機営業部長
新谷 英樹
土量管理システムの基礎
(株)アクティオエンジニアリング事業部
栗丸  功
高水圧下で安心できる泥水式推進施工の留意点と対策
機動建設工業(株)関東支店次長
中下 孝清
泥水式推進工事の施工事例
戸田建設(株)関東支店作業所長
高橋 秀太郎
随 筆 企業の美醜は水をめぐる所作にあり
編集オフィスchomo代表 東洋大学PPP研究センターリサーチパートナー
奥田 早希子
海外情報 GCUSベトナム委員会の2016年3月訪越活動報告
下水道グローバルセンターベトナム委員会委員長 日本大学教授
森田弘昭
今さら聞けない
推進技術の豆知識
第13回 掘進計画線上に障害物がありそうですが、どうしたらよいですか?
推進豆博士
ゆうぞうさんの山紀行 第2回 高松山から松田山公園へ
元横浜市下水道局
藤代 裕三

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