環境

2025年8月号 環境への配慮

2025/9/5

 今月の特集は、「環境への配慮」です。推進工事は、地上から地盤を掘削し管路を敷設する開削工法に比べ、道路交通や沿道商業などに与える影響が少ないので、環境にやさしい工法であるといえます。しかしながら、掘削や管敷設のほとんどが道路下の地下で作業されることから、土壌や住居などの周辺施設に対する配慮も必要であると考えられます。近年、地球温暖化に起因する気候変動に伴い、生活環境への配慮や自然環境の保全に対する声は年々高まってきており、建設現場で排出されるCO2についてもあらゆる場面で削減が求められています。  推進 ...

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土質管理 環境

2025年7月号 推進技術・最前線

2025/9/3

 全国の下水道管きょの総延長は、令和5年度末で約50万km。標準耐用年数50年を経過した管きょは約4万km(総延長の約7%)で、10年後は約10万km(約20%)、20年後は約21万km(約42%)と今後は急速に増加します。このような状況の中、本年1月28日に埼玉県八潮市において下水道管の破損に起因すると考えられる道路陥没が発生、トラック1台が巻き込まれるとともに、約120万人に下水道(洗濯や入浴)の使用自粛が求められるなど、大きな影響が発生しました。このように下水道事業は、施設の老朽化への対応をはじめ、 ...

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施工管理 自動化施工

2025年6月号 自動化施工に挑む

2025/9/1

 推進工法はインフラ整備とともに発達し、初期の手掘りの刃口式推進工法から現在の機械式密閉型推進工法へと発展してきました。それらは泥水式、土圧式、泥濃式に分類されます。また、この間の技術革新は目覚ましく、適用土質は普通土から礫混り土そして岩盤までの広範囲に渡っています。1,000mを超える施工延長も可能にし、急曲線施工を含んだ複数曲線への対応、そして縦断曲線といった非常に複雑な線形の施工も可能にしています。さらに、断面形状は円形だけでなく矩形までにも対応しています。これらを可能にしたものは掘進機の開発や制御 ...

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品質管理 安全管理

2025年5月号 品質保全と安全

2025/6/24

 社会インフラ整備としての推進工事において、品質確保と安全の両立は、切り離すことのできない重要な要素です。  工事の品質は、計画段階から始まります。精密な設計と入念な地盤調査を行い周辺環境や地質の変化を見極めることで、施工中の予期せぬトラブルを未然に防ぐことができます。さらに、ICT技術などのデジタル技術を活用することで、現場の状況をリアルタイムで可視化し、品質管理を徹底することが可能になります。これにより、設計と実際の施工のずれを最小限に抑え、高精度な作業を実現できます。また、現場ごとに適した材料や工法 ...

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土質管理 環境

2025年4月号 土質変化への対応

2025/6/24

 我が国の地質構造は、多くの火山活動による堆積土や降雨量の多いことによる河川氾濫や地滑りの影響、また、海に囲まれた環境からの浸食などの地理的、気候的な事由により、長い年月をかけて極めて稀で複雑な地層で形成されています。  推進工法においては、対象区間の土層構成やN値、礫率、礫径、地下水などの状況が工法選定に大きく影響しますが、短スパン工程の場合や敷設深さに比較的、自由度がある圧送管を主体としたインフラ設備では、割合、土質変化の少ない土層を設定することも可能であると思います。  しかしながら、経済性を考える ...

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環境 雨水対策

2025年3月号 浸水対策

2025/4/8

 昨年の日本は、一昨年に引続き気象庁が観測を開始(1898年)して以来最も気温が高い夏でした。この異常な暑さによって激甚化した気象災害は、世界各地で昨年も散見されました。サハラ砂漠ではほぼ1年分の雨がたった2日間で降り、湖ができたり緑化が進んだりしました。豪雨は人口の少ない地域に降ったようですが、モロッコの数村では洪水により道路被害や停電・断水などが発生したとの報告もあります。一方、南米アマゾン川の支流では、深刻な干ばつにより河床が露出するなど、出漁できない状態で同流域で74万人に食糧不足が起きたとのこと ...

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技術の伝承 推進工事技士

2025年2月号 推進工事に関わる資格制度

2025/2/3

 昨年8月8日付で(公社)日本推進技術協会が登録基幹技能者講習実施機関に認定されました。種目は登録都市トンネル基幹技能者で推進工とシールド工が対象です。受講資格には、一定水準を満たした推進工事技士か推進工またはシールド工で建設マスター(優秀施工者国土交通大臣顕彰)、建設ジュニアマスター(青年優秀施工者不動産・建設経済局長顕彰)の顕彰者も該当します。  推進工事技士の資格保有者で実務経験10年以上かつ職長経験3年以上であれば受講資格が得られることになります。近く同講習が実施されれば、多くの登録都市トンネル基 ...

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下水道以外の事例 推進工法の役割

2025年1月号 水道と推進工法

2025/1/10

  我が国の推進工法の嚆矢は1948年にガス管のさや管を国鉄の軌道敷下に築造することであった。翌年の1949年には大阪市電の軌道敷下に水道管のさや管として推進工法が用いられた。1951年には下水道管の築造に推進工法が採用されている。そして1990年代の下水道整備の最盛期に推進工法も最盛期を迎えた。  都市の地下インフラは、先行して整備された水道管、ガス管などが更新時期を迎えているが比較的浅い位置に埋設されたこれらの管も都市化の進展により地上からの掘削・更新が難しい箇所が増えている。また、想定外の災害に対す ...

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トラブル対策

2024年12月号 リスクを読む

2024/12/10

  国内ではじめての推進施工から76年が経過しました。これまで推進工事に携わった先人たちが、様々なトラブルを経験し再発防止に努めトラブルへの対応・対策を講じることで推進技術を進化発展させてきました。  古くは、推進工事には必ずトラブルが付きまとい、都度対処することが当たり前という時代がありました。機械式推進が一般的になっても、トラブルに対する代償ははかり知れず、企業にとっての存続が困難となりかねない損害を被ることもありました。  近年、このようなトラブル回避や設計変更等を可能にするための施策として、事前に ...

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岩盤 特殊地盤 礫・玉石

2024年11月号 岩盤・玉石地盤掘削の最先端技術

2024/11/10

 岩盤・玉石地盤の掘削は、推進工法やシールド工法などの多数の施工経験や掘削ビットなどの技術発展に伴い開発、改良が進展し続けてきました。ただし、まだ、効率的に推進を実施するために解決すべき課題も多々あり、その課題は、泥水式、泥土(泥土圧)式、泥濃式に各々存在しています。例えば、泥水式については、排泥管の口径が他工法と比較して、小さいために、岩盤、玉石をより小さく破砕しなければならない。泥濃式や泥土(泥土圧)式については、岩盤、巨石地盤の推進において、推進速度が極端に遅くなってしまうことにより、添加材の注入量 ...

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