測量システム

2018年5月号 最近の推進測量技術

 現在の推進工事は様々なニーズへ対応し技術革新を重ねて発展してきました。適用土質としては、一般土質はもちろん岩盤や砂礫のような様々な困難な土質条件を克服し、適用管径も呼び径250の小口径管から呼び径800以上の大中口径管、そして呼び径4000もの超大口径管の施工も可能となっています。施工線形も長距離・急曲線施工はもちろん複合曲線や縦断曲線といった様々なものが可能となっております。
 推進工事にとって測量は欠かせない非常に重要な技術です。
 しかしこの推進工事の測量技術は非常に難しい技術となっています。推進工事は管体そのものを押し込むという施工方法のため、管内に測量基準点が設置できません。すなわち動かない測量基準点は発進立坑内にしか設置できないのです。推進工事ではこの短い発進立坑の基線から何百倍という長さの測量を高い精度で行う必要があります。この問題を解決するために様々な測量方法が研究開発され実用化されてきました。それらにはレーザ光線を利用したもの、立坑基準点からのトータルステーションや独自計測機を利用した開放トラバース測量、地上からの電磁波計測や管内での移動計測機によるもの、写真技術を利用したもの等があります。また掘進中の位置や姿勢を計測するジャイロ技術や到達地点を電磁波で知らせる技術も利用されています。
 このように様々な測量技術が開発され利用されていますが、それらの技術も開発後現場に出ることで進化し今日に至っています。また電子機器や計測機そのものの変更等時代の流れの影響も受けています。ここではこれらの経過を経てきた推進測量技術の最新の状態をお知らせしたいと思います。
(編集担当:稲葉富男・茂木清顕)

巻頭言 働き方改革を実現し、より魅力ある建設業に
戸田建設(株)常務執行役員土木工事統轄部長
(公社)日本推進技術協会理事
山田 裕之
今月の推論 新入社員諸君! ~君たちはどう育ち働くのか~
傍若無人
総 論 推進における測量の基本と最新技術
機動建設工業(株)関東支店(本誌編集委員)
舩橋  透
解 説 推進測量技術の歴史と最新技術
(株)ソーキ顧問(本誌編集参与)
稲葉 富男
エースモール工法位置検知技術の紹介
アイレック技建(株)非開削推進事業本部第一技術部
中川原 浩二
管推進工法でのSリード適用の歩みおよび範囲拡大の試み
アースナビ推進工法協会技術委員長
(株)ジェイアール総研情報システム
田村 晋治郎
随 筆 幼少からの経験が現在の私に生きている ~情熱と愛情を持った熱血漢の父から譲り受けたもの~
(株)はりば
佐野 龍児
現代の育児環境の在り方
テクニカ合同(株)西日本国際事業グループ
細見 怜希
ニュースFlash
先達に学ぶ温故知新 第8回 推進工法とともに歩んだ40年 その5「推進工事に凍結工法を採用した施工事例」
元(株)日本下水道管渠推進技術協会常務理事
石橋 信利
ゆうぞうさんの山紀行 第27回 鎖場の石鎚山
藤代 裕三

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