障害物

2021年11月号 地中障害物に対応する

  都市の地下には様々な物が埋まっています。ライフラインである水道やガス、下水道などはもとより地下鉄や道路トンネル、ビルや橋脚の基礎などの地下構造物、鋼矢板など工事の残置物やコンクリート等の殻などの障害物と千差万別です。都心では特に多くの埋設物があり、それらの間を縫うように地下構造物が構築されています。
 推進工事における管路敷設も、この地下構造物や障害物を避けるか、もしくは撤去してから敷設することになります。この場合、まずは大きく2つの状況で対応が別れます。
 ひとつ目は事前に地下埋設物が予想される場合です。予め予想できる場合は、設計施工前に対応することができます。最初に行うのは地下埋設物の素
性と位置確認となります。この場合、多くは構造物の施工図面で確認をとりますが、図面が不明確であったり、位置がずれていることもあります。そのために、地上からボーリングや電磁波で位置確認する方法や、立坑より誘導管推進による事前調査、または実際に掘削を行い現物を確認する方法があります。
 埋設物の位置確認を行った後は、設計時に埋設物を避けた線形にするか、事前に埋設物を撤去します。また、埋設物の撤去や線形の事情で避けられない場合は、刃口式推進や特殊な推進工法により、障害物を除去もしくは掘削することで対応します。
 ふたつ目は事前に予想ができず推進中に障害物に遭遇する場合です。この場合は膨大な労力がかかり、金額的に被害が甚大となることが多く、工事期間も長くなる傾向にあります。対応方法としては、埋設物の調査、確認、掘進機の回収、残りスパンの管路敷設方法となります。地上より掘削が可能であれば、掘進機の回収も兼ねて立坑を築造する方法もあります。掘進機回収後に障害物を掘削する工法に変更するのが一般的です。しかし、地上からの掘削が不可能である場合は、引き抜きまたは迎え掘りを行うことになります。引き抜きの場合は、後に障害物を避けた線形に変更することになります。
 いずれにしても、現場の条件に合った適切な方法を選定することが重要です。今回はそのさまざまな現場条件での、障害物の対応方法を紹介させていただきます。
 本特集がみなさまの設計や施工の手助けになれば幸いです。
(編集担当:宮地武士))

巻頭言 コロナ禍で得たもの
瀬谷 陽一
㈱常磐ボーリング会長 (公社)日本推進技術協会理事
今月の推論 幸せな老後を過ごせるために
時来りて語る者
総 論 推進工事における地中障害物への対処方法
佐野 哲雄
機動建設工業㈱関東支店(部長)
解 説 設計後に確認された障害物の撤去事例について
越石 博行
日本水工設計㈱東京支社下水道二部管路設計課課長
多数の想定外支障物対策事例 ~コンクリート塊・H鋼を連続して切削したミリングモール工法~
大和 博昭
ヤスダエンジニアリング㈱建設事業本部工事部工事係長
見て安心!! 障害物の目視確認 ―CMT切羽障害物除去推進システム―
川人 栄志
㈱姫野組関西支店作業所長 木下 貴義
CMT工法協会技術担当
ラムサス工法を用いた地中障害物への対応
米森 清祥
ラムサス工法協会事務局長 (サン・シールド㈱代表取締役)
ベビーモール工法における地中障害物の対処法
黒木 将則
サン開発工事㈱工事課長
SH工法・SHミニ工法による地下障害物の推進施工 ~障害物に対応するレスキュー的工法~
瀬谷 弘樹
SHスーパー工法協会技術員
投 稿 超大迫力!地中支障物にも負けない推進現場見学記
平野 美礼
(一社)日本非開削技術協会国際部長
随 筆 自分に合った勉強方法の見つけ方
高岡 怜
三井住友建設㈱土木本部土木技術部土木DX推進グループ
ゆうぞうさんの山紀行 第69回 晩秋の弘法山から大山へ

-障害物

© 2021 月刊推進技術