雨水対策

2020年3月号 内水氾濫軽減への取り組み

 昨年の台風15号により千葉県下では大規模停電が発生し、電気・水道の供給停止が長く続き住民の方々が途方に暮れている様子が、また台風19号においては関東から東北地方にかけて大規模な浸水被害が発生し、その被災状況は、テレビ・新聞等で大々的に報道されました。最近発生した災害であり皆様の記憶に新しいと思います。
 河川の氾濫や破堤に伴い住宅地に流入する濁流には目を覆うばかりであり、今後の復旧には膨大な費用と時間を要するでしょう。被災者の肉体的・精神的な疲労を危惧します。
 これらの台風により某都市においては、100mm/hr近い豪雨に見舞われ内水氾濫が発生したという報道もありました。当該都市の説明によりますと市域全域を対象に5年確率(50mm/hr)による雨水対策を、都市機能の集中している地域に対しては10年確率(60mm/hr)により雨水整備を進めているとのことでした。しかし今回のような豪雨に対して既存の幹線および排水施設(ポンプ場、処理場)においては対応できないため内水氾濫が発生したそうです。
 このように雨水を自然流下により排水できない区域(ポンプ排水区域)を抱える市町村は国内においても数多く存在すると思いますし、人口の集中している地域が多いです。今後より一層の内水氾濫対応策が求められます。
 今月号では計画降雨以上の雨水対策として一義的にはポンプ施設の増設・能力アップが考えられますが、今月号は雨水計画の再検討をはじめ、増強管の新設、貯留施設の整備、既設管路のループ化、既設幹線の連結、貯留管の新設等において推進工法を用いた改善方法と、これらの整備に付随する技術を提供し、読者の皆様の参考にしていただきたいと考えております。
(編集担当:石北正道)

 

巻頭言 生産性のさらなる向上と安全確保のために
戸田建設(株)常務執行役員土木工事統轄部長(公社)日本推進技術協会理事
山田 裕之
今月の推論 宴会のありかた
全日本発注者団体連合協議会副会長
総 論 下水道による都市浸水対策の取組について
国土交通省水管理・国土保全局下水道部流域管理官付課長補佐
長谷川 広樹
激甚化する水災害、コンサルタントの果たすべき役割とは?
(株)エイト日本技術開発執行役員中部支社長(本誌編集委員)
田口 由明
特 集 札幌市における内水氾濫軽減の取り組み
札幌市下水道河川局事業推進部下水道計画課
石川 翔太
仙台市の内水氾濫軽減の取り組み
仙台市建設局下水道事業部管路建設課
深町 啓太
東京都下水道局が取り組む浸水対策について
東京都下水道局建設部設計調整課
大山  亮
千葉市における内水氾濫軽減の取り組みについて ~今後の雨水対策のあり方~
千葉市建設局下水道建設部雨水対策課課長
林  茂樹
川崎市の新たな軌道沈下量計測システムを活用した浸水対策にあわせた合流改善の推進
川崎市上下水道局南部下水道事務所工事課
大鹿 祐二
横浜市における内水氾濫軽減への取り組み
横浜市環境創造局下水道事業マネジメント課担当課長
石井 智博
リニア中央新幹線開業を控えた名古屋駅周辺の浸水対策について
名古屋市上下水道局技術本部建設部主幹(大規模施設建設の設計・工事調整・安全監理対策)
河合 克敏
大阪市の集中豪雨被害軽減対策の取り組み
大阪市建設局下水道部調整課(事業計画担当)
福田 彩子
ICT等を活用した雨水管理スマート化の取り組み
(株)日水コン下水道事業部東部計画管路部
福本  徹
投 稿 泥濃式推進工における地質急変部の岩盤乗上げ対策 ─石巻市石巻中央幹線管渠復興建設工事─
(株)鴻池組石巻市石巻中央幹線管渠復興建設工事現場代理人
福嶋  渉
ヤスダエンジニアリング(株)関東支店工事部工事長
沖  和徳
随 筆 これから建設業を担う若者たちの今
地建興業(株)経営企画室・機材部
小松  健
ゆうぞうさんの山紀行 第49回 雪の残る入笠山
藤代 裕三

 

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